第五回シンポジウムの報告と報告要旨

去る9月27日(土)に早稲田大学において当研究所の第五回シンポジウムが開催されました。
全体のテーマは「宗教の衝突、和解と融合:その歴史的・美術史的考察―スペイン、ラテンアメリカ、日本の各視座から―」でした。
プログラムおよび報告要旨は以下の通りです。

()内からはPDF版、にリンクを張っております。
テキスト版の要旨記事はこちらです。

プログラム

開会の辞 甚野尚志 (早稲田大学文学学術院教授)ヨーロッパ中世・ルネサンス研究所 所長

趣旨説明 大髙保二郎 (早稲田大学文学学術院教授) 「衝突と融合による美術的な変貌」


大髙氏による趣旨説明ではスペインにおける諸宗教の「衝突と融合」の表れた多彩な美術作品が紹介され、シンポジウムへの問題提起がなされた。



研究報告1 関 哲行(流通経済大学社会学部教授)
「中近世スペインにおける三つの一神教の対立と共存」

(PDF版要旨

 関氏は、サンティアゴ・デ・コンポステーラの王立施療院兄弟団を皮切りに、14世紀末のユダヤ人兄弟団や、亡命したマラーノのヨセフ・ナシ、15世紀のムモリスコの兄弟団など、政治的に差別され改宗や亡命を余議なくされたユダヤ教やイスラム教の人々の社会的な相互扶助の例を挙げ、中近世スペイン社会における三宗教の「対立と共存」について紹介された。

研究報告2 岡田裕成 (大阪大学文学研究科教授)
 「聖母、征服者、先住民首長―アンデスにおける聖像受容の政治学」

(PDF版要旨

岡田氏は、スペインの植民地アンデスの先住民にキリスト教がどのように受け入れられたのか、という問題に関して、しばしば「習合」や「融合」という言葉で語られる改宗の経緯を、先住民の彫刻家ティト・ユパンキによって制作された《コパカバーナの聖母》を中心に、歴史的、政治的な背景から詳細な考察を加えた。


研究報告3 児嶋由枝(上智大学文学部准教授)
 「西欧カトリック改革美術とキリシタン美術―聖像の受容と変容をめぐって」

(PDF版要旨

児嶋氏は、トレント公会議後のイタリアの宣教美術が日本においてどのように受容され、伝承されてきたかという点について、16世紀末に来日し絵画を伝えたイエズス会士のジョバンニ・コラ、長崎に残る《雪のサンタ・マリア》の図像分析、そして生月に伝わるかくれキリシタンの「お掛け絵」などを現地調査に基づく作例を挙げて紹介された。




盛況であり、また活発な質疑応答がなされたことも付して感謝申し上げます。
お運びくださった皆様、ありがとうございました。



次回は11月8日(土)開催の第十七回研究会となります。

(文責:毛塚)

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