第八回シンポジウムのお知らせ

ヨーロッパ中世・ルネサンス研究所 第八回シンポジウムのお知らせをいたします。
「早稲田大学高等研究所セミナーシリーズ〈新しい世界史像の可能性〉」との共催になります。

日時:2017年9月30日(土)14時~17時30分
場所:早稲田大学戸山キャンパス39号館6階第七会議室

全体のテーマ「宗教改革期の図像」

高津 秀之(東京経済大学経済学部専任講師)
「100年後の「アウクスブルクの信仰告白」―1630年の宗教改革のプロパガンダ―(仮)」

冬木 ひろみ(早稲田大学文学学術院教授)
「16世紀後半から17世紀のイギリスにおける宗教とエンブレムの関係」

松原 典子(上智大学外国語学部教授)
「対抗宗教改革期のスペインにおける宗教図像」(仮)

皆様のご参加をお待ちしております。
変更、追加等がありましたら改めてお知らせいたします。

**チラシ掲示にご協力くださる方は以下よりダウンロードしてお使いください。
簡易チラシ(A4,PDFファイル)

第二十三回研究会報告と報告要旨

去る2017年6月24日(土)に早稲田大学において当研究所の第二十三回研究会が開催されました。
全体のテーマ「聖書解釈と信仰実践」でした。

プログラムおよび報告要旨は以下の通りです。
お名前隣のPDF版のテキストリンクに要旨記事を掲載しております。

報告(1)
毛塚実江子(共立女子大学非常勤講師)報告要旨(pdf)
「10世紀イベリア半島における写本挿絵の刷新と諸問題」

報告(2)
鈴木喜晴(早稲田大学本庄高等学院非常勤講師)報告要旨(pdf)
「14世紀後半における厳修化と反ー托鉢修道会」



毛塚氏は10世紀に大幅な刷新がみられたイベリア半島写本挿絵と、研究に伴う諸問題を取り上げながら、改革点を中心に写本制作の背景の解釈を試みた。当時の挿絵は図像の類似性から古代ローマやササン朝ペルシア、西ゴート、メロヴィング朝、カロリング朝からの伝統と、同時代のビザンティン、アル・アンダルスなど多様な影響関係の可能性が指摘されるも、それらから写本の構成や制作意図を再構築することは難しかった。しかし各写本の刷新点に着目するなら、黙示録註解写本であるベアトゥス本にダニエル書註解や福音書記者像等が取り入れられ、旧約・新約両聖書の関連性が重視される神学的な背景が想定される。同氏はこのような時代背景において大型新旧一巻本聖書である『960年聖書』が制作されたと指摘した。

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鈴木氏はジョン・フォックス(1516-1587)の著作『殉教者伝』(1563)の成立において、元カルメル会士ジョン・ベイルが果たした役割と、彼が参照した写本Bodley Ms. e Mus. 86の性格についての分析を行った。初期の宗教改革者たちがウィクリフとロラード派についての情報源として利用したこの写本は、本来は14世紀における清貧と托鉢修道会についての一連の論争をカルメル会が15世紀前半にまとめたものであり、ウィクリフとロラード派著作家たちも、本来は会に対する批判者の流れに連なる人々であった。だが、写本が一世紀のち、宗教改革の時代に参照されると、この文書は本来の文脈を離れ、改革の先駆者たちの言行を記録した「聖人伝」のコンテンツとして新たな意味を与えられた、と同氏は結論している。

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盛況であり、また活発な質疑応答がなされたことも付して感謝申し上げます。
お運びくださった皆様、ありがとうございました。


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(文責:鈴木・毛塚)

第二十三回研究会のお知らせ

ヨーロッパ中世・ルネサンス研究所第二十三回研究会のお知らせをいたします。

日時:2017年6月24日(土)14時~17時
場所:早稲田大学戸山キャンパス39号館2階 美術史実習室
全体のテーマ「聖書解釈と信仰実践」

報告(1)
「10世紀イベリア半島における写本挿絵の刷新と諸問題」(仮)
毛塚実江子(共立女子大学非常勤講師)

報告(2)
「14世紀後半における厳修化と反ー托鉢修道会」(仮)
鈴木喜晴(早稲田大学本庄高等学院非常勤講師)

皆様のご参加を心よりお待ちしております。

**チラシ掲示にご協力くださる方は以下よりダウンロードしてお使いください。
簡易チラシ(A4,PDFファイル)

紀要刊行のお知らせ(『エクフラシス』第七号)

紀要『エクフラシス』第七号が刊行されましたので、お知らせいたします。
執筆者は以下の通りです(掲載順)。
辻成史、山中良子、林賢治、伊藤怜(Rei Ito)、太田英怜菜、唐澤晃一、松園伸、坂本龍太、長尾天、石黒盛久
目次はこちらです。

既刊の各号目次は以下です。
・『エクフラシス』第六号
・『エクフラシス』第五号
・『別冊 エクフラシス』
・『エクフラシス』第四号
・『エクフラシス』第三号
・『エクフラシス』第二号
・『エクフラシス』第一号

(既刊)論文集(第二期)『ヨーロッパ文化の再生と革新』(甚野尚志・益田朋幸編)、
知泉書館(2016年3月)。
執筆者(掲載順)
多田哲、西間木真、甚野尚志、根占献一、藤井明彦、佐藤真一、村上寛、鈴木喜晴、久木田直江、高津秀之、三浦清美、伊藤亜紀、児島由枝、高橋朋子、塚本博、辻絵理子、益田朋幸
(ISBN9784862852298、菊判上製404頁、本体価格6000円+税)論文タイトル、目次

第二十二回研究会の報告および報告要旨

去る2016年11月5日(土)に早稲田大学において当研究所の第二十二回研究会が開催されました。
「早稲田大学高等研究所セミナーシリーズ〈新しい世界史像の可能性〉」との共催でした。

プログラムおよび報告要旨は以下の通りです。
お名前隣のPDF版のテキストリンクに要旨記事を掲載しております。

共通のテーマ「知の集積、発信拠点としての近世スイス」

報告(1)
雪嶋宏一(早稲田大学教育・総合科学学術院教授)報告要旨(pdf)
「書誌学の源泉、コンラート・ゲスナー『万有書誌』」

報告(2)
パトリック・ シュウェマー(上智大学・学振研究員PD)報告要旨(pdf)
「ツヴィングリの和訳聖書」







雪嶋氏はコンラート・ゲスナー(1516-1565)の代表的な著作『万有書誌』(1545)を詳細に分析された。同書の項目や著者名数を改めて細かく算出され、図書館の蔵書目録との関連性をも指摘された。同氏はまた、版の比較から従来の増補訂正に加えて新たな差替え箇所を発見された。古今東西、多岐にわたる分野の著者情報がヨーロッパ各地の図書館から集められたが、その情報源はトリテミウス(1462-1516)の著者目録(1494、1531)や16世紀の印刷業者マヌーツィオらの印刷版売書目録(1534)など、同時代の著者や印刷業者にも及んだ。ゲスナーは同書において、中世的な著者中心の目録から、著作を主体とする印刷本の書誌記述要素を確立し、近代書誌学の礎を生み出したと結論される。




シュウェマー氏はヴァチカン図書館所蔵のバレト写本(Reg.lat.459)の福音書朗読集の邦訳された文体を詳細に分析された。同写本は1591年頃ポルトガル人イエズス会士バレト(1564-1620)によって日本語学習のためにローマ字で奇跡譚、受難物語、聖人伝などが書写されたものである。その福音書朗読集は、当時流布していたラテン語聖書と、ツヴィングリの弟子によって編まれたチューリヒ版ラテン語聖書を並べて、日本宣教活動の熱心な貢献者でもあったフェリペ2世の勅許のもとで印刷された『双訳聖書』(サラマンカ版)を原本としたということを、同氏が指摘した。翻訳の際には、2種類の本文を適宜選択しながら、逐語訳を避け、より自然な日本語になるよう試みられた。とくに幸若舞の修辞法を模倣している点が着目される。一方、その文面には漢文の訓読法にラテン語文法を合わせた、同氏が「羅文訓読」と呼ぶ独自の訓釈法が見られる。同氏はこの翻訳と訓読という二つの言語体系を併せ持つ同写本の世界史的な意義を指摘された。


盛況であり、また活発な質疑応答がなされたことも付して感謝申し上げます。
お運びくださった皆様、ありがとうございました。







(文責:毛塚)
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